言いたいことは完結に。

Compactly Completed Comics

世界の美形は半端ないぞー。あっちで精神的に成熟した男性と幸せになれよー。

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みきもと 凜(みきもと りん)
近キョリ恋愛(きんきょりれんあい)
第10巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★(6点)
 

気になる子ができたから、もうつきあえない。櫻井から告げられた別れの言葉に、ゆにの心は揺れ惑う。
それが、ゆにの将来を思ってのやさしくも悲しい嘘だとは知らずに…。2人の恋の行方は⁉ そして、ゆにの夢は⁉
いつだって波瀾万丈、禁断(?)恋愛コメディー・ついに最終巻なのです!!

簡潔完結感想文

  • 最終巻。先生とお別れして季節が変わって、そして、ゆにの心境にも変化が。
  • 花音終幕。お友達の協力のもと騒動は終了。だけど先生との距離も同じで…。
  • 卒業式の夜、思い出の詰まった学校で先生と…。最後の一コマ大好きです!


ゆにの家族よりも最後まで結婚に反対しちゃう最終10巻。

先生に一方的にお別れを告げられた夏が終わる。
新学期が始まった初秋の頃もまだゆには落ち込むばかり。
しかしある時、恋人との関係に悩む友人・なみちゃんに掛けた「自信をもって」というアドバイスはそのまま自分にも言えると気づき、ゆには自分を信じるための行動に踏み切る。
ずっと夢だったアメリカの大学へ進路を変えて…。

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ゆに が進みたい道に進むこと、それは先生の願い。
アメリカの大学の面接対策として櫻井先生と放課後、特訓することになったゆに。
それはまるで1年生の時の、恋に落ちる前ような特別な空間。
しかし、ゆにの心には一点の影が広がる。
同級生の花音が先生と交際していた「証拠」を脅迫材料として、ゆにを言いなりにさせていたのだ。


そうして花音の術中にはまっていくゆに。
花音の目的は先生の心をゆにから引き離すこと。
そこで、ゆにのクラスメイトで距離を急激に縮めている的場とゆにの交際の偽装を考案する。
裏腹な行動をさせられる屈辱感に心がすり減るゆにだが、これってゆに発案の嫉妬大作戦と変わりませんね。
全体の構成として後で同じこと2回やるぐらいなら、1回目のやらなきゃ良かったんじゃ…。

ゆにとのお別れが、櫻井先生がゆにの将来を守るためなら、ゆにの行動はその逆。
それを美談とするならば献身的というか日本的な仁義というか。
本書は最後まで守るために大切な人の気持ちや意向を無視して犠牲にする話でした。
そしてどこまでも2人じゃなくて1人なんですよね…。

いよいよゆにが窮地に陥った時に先生が登場。
今回は先生がゆにを困らせたり意地悪してないので、本当にヒーローっぽいです。
ただ、ゆに一人でも逃げ出せた気はしますが…。

そして、花音に反撃をする際は、高校で出会ったお友達たちが全員協力しての陥穽を仕掛ける。
うーん、この手法に関しては、納得できるようなできないような。
教師も含めた脅迫って、もうその時点で問題があるような気がします。
それに花音が開き直ったらそれで終わりですよね。
花音には証拠がないとはいえ、まだまだ櫻井先生のリスクの方が深いような気がする。
その前に彼女の本質を貫いて、友情と愛情で彼女の暗く醜い心は溶かしたのでしょうけど。

それに花音は性格の悪さを開き直っても、そこそこ人気を保つだろう。
少し前に感想文を書いた『君に届け』のくるみちゃんみたいに。
しかし主人公以外の美少女が腹黒いという少女漫画では典型的な設定は、作者や読者のルサンチマンが生んでるんでしょうかね。
腹黒い美少女の恋は絶対に上手くいかないことでカタルシスを得ている、のか?


そして先生側のやさしいような身勝手のような嘘には、ゆにを想う的場から櫻井先生に目の覚めるような一発が加わる。
先生の顔に傷を負わせたなんてゆにが知ったら発狂するでしょうけど、的場の行動こそゆにのためだ。
「大人ぶって自己完結して1人で満足してんじゃねーよ」
私の思っていることを的確に言葉にしてくれました。

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生徒に殴られ説教されて ようやく目を覚ます先生。
こういう点では作者も櫻井先生の未熟さを分かって描いてるんだろう。
でも最終回といい私には結局、甘い言葉、実行性の怪しい言葉でゆにを惑わしているだけのように思えてしまう。
最後まで容姿がバッチリ好みだったカップル、としか思えないのだ。


卒業もしたことですし先生との本格的な交際は始めていいけれど、ゆにに先生との結婚を選択させるのは、アメリカの大学を卒業してからでもいいと思う。
先生はいいですよ、高校時代に荒れて、色恋も数知れず、人生の大問題もちょっと前に解決したんだから。
でもゆにはまだまだ人生経験をこれから積むのだ。
アメリカの大学で世界の美形と世界の才能に触れてもなお、先生が良いというのなら文句はないです。
でも先生だって完璧な大人じゃないんだから4年間、せいぜい浮気をせず自分を磨かないと捨てられちゃいますよ。
以上、最後まで先生を毛嫌いする私からゆにへの伝言でした。


描かれていないけど、卒業式の夜によりを戻して将来の約束をしたゆにと先生のその後はどうなったのでしょうかね。
一応、身分的には高校生だけど、今日、卒業した訳で。
先生の口からは「卒業したら覚悟しとけよ」みたいな言われてたけど。


最後の3巻ぐらいは的場くんの活躍でコナン君はほとんど登場しませんでしたね。
しかしラストのシーンで、ようやく咲くん・コナン君・的場くんの3人勢ぞろい。
唖然とする場面なので表情が固定されていて、三つ子かなってぐらい同じ顔になってます。


ラストシーンはまた夏がやってくる。
これでゆにともしばしお別れかぁ。一応、先生とも。
ラストの一コマ大好きです!


あとがきにあたる「liner notes」によると、編集サイドは(本書を)もっと描いていいんだよ、と言っていたらしい。
編集サイドは、完全に本書が死に体になるまで搾取するつもりだったのでしょうか。
編集が少女漫画をダメにしてどうすんだよ。
例えとして不適当かもしれませんが、遊郭じゃないですけど、一定上の利益を出した人は、年季が明けるというか、その後の自由裁量を与えて欲しいものだ。
もちろん不人気による打ち切りはあって当然だが、作者の当初の構想から水増ししないで完結できる権利を守って欲しいものだ。

近キョリ恋愛(10)<完> (KCデラックス)

近キョリ恋愛(10)<完> (KCデラックス)